先輩と甘い初恋はじめました。
好きな人を隣にして緊張しないわけないじゃないですか………。
「無理ですよ………」
「なんで?」
真剣な顔で、たずねてくる。観覧車の中は静まり返っていた。ゴウン、ゴウン………と観覧車が動く音だけが聞こえてくる。
「なんでって言われても…………」
先輩が好きだから…………。
「ねぇ、琥珀。ちょっとこっちを向いて?」
「え?律貴先輩?」
近かった距離がグッと近くなる。思わずぎゅっと目をつむった。
ートクトク……。
ヒヤッ。その瞬間、首元に何か冷たいものが当たった。
「はい。目を開けて」
律貴先輩にそう言われてゆっくりと目を開けると………。
「………ネックレス?」
首元にはネックレスがかかっていた。
「あー、そのネックレス、琥珀に似合うと思って買ったんだけど………彼氏でもない俺が送るのはどうかなって………でも、買って良かった」