先輩と甘い初恋はじめました。

「はー………心臓壊れるかと思った………」



真っ赤に染まっている顔を冷まそうとしているのかパタパタと手で顔を仰いでいる。



「もっと琥珀にくっついていたかったのに」


「まだ言いますか?それ」



俺は不満だ。もっとくっついていたいのに場所が悪すぎる。


これからはちゃんと場所を選ばないとな。



「でも、私は幸せです。律貴先輩と同じ気持ちになれたので」


「…………っ、それは……反則でしょ」



「んぇ!?なんでですか?」



幸せそうに笑った琥珀の手を、ぎゅっと握る。


ホントはキスも、抱きしめることもしたいけど今はおあずけ。


今は焦らなくてもいい。


これからはずっと一緒にいるんだから。



「これからは覚悟してね。ずっと俺の隣にいてください」


「………はい」



2人で顔を見せあって笑う。


この瞬間がずっと続けばいいのに。


幸せを願いながら空を見上げた。
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