先輩と甘い初恋はじめました。

ドキッとして、慌てて先輩の膝の上から飛び降りた。


………あっぶなかった………心臓、壊れるかと思ったよ。



「あー、今行く!」



先輩はため息をつくと立ち上がって私の方を見た。残念そうに、目を細めると、



「明日、また中庭に来い。琥珀のこと、可愛がってやるからな」


「…………っ、!律貴先輩!?」



いたずらっ子のように笑った後、ドアの方に向かって歩き出した先輩。


その間も、ドキドキと心臓はうるさかった。


もう、なんなの。


あんな先輩がいるなんて聞いたことないよ。ねぇ、先輩。私………先輩にドキドキしています。


このドキドキは、一体なんなんでしょうか。


誰か………教えてください。


私はその場に立ち尽くしたまま、昼休みの終了を告げるチャイムがなるまでドアの方を見ていた。
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