先輩と甘い初恋はじめました。
「あっ。あの時…………今日と同じようにおばあさんを助けたことがあります。それでその後………」
だんだんと思い出したのか興奮したように話し出した。
「変な男の人に声をかけられました!」
「…………へ、変なって………」
俺のことを思い出したのか!?と期待して琥珀を見たのに、キラキラとした目でそんなことを言った。
た、確かにあの時は変な人だったんだろうけど…………。俺にとっては大事な出会いだったのにな。
あの時、琥珀に出会ってなかったら俺は恋を知らなかった。こんなに、幸せな気持ちになることも。
「…………嘘ですよ。そんなに落ち込まないでください」
「え?」
ずーん、と効果音がつきそうなほど落ち込んでいた俺の手をぎゅっと握ると、下からのぞき込まれた。
ードキッ。
「あれが、律貴先輩だったんですね」
…………思い、出してくれた。