先輩と甘い初恋はじめました。
「わ〜ん!琥珀、ごめんねー!ありがとう!」
「わっ、ちょっと、由香!?」
由香はいきなり前のめりになって私に抱きついてきた。ぎゅうっと思いの外力強く抱きしめられて戸惑ってしまった。
そ、そんなに私のことを心配しなくても………あはは……。
私は由香からゆっくりと離れて、早くミーティングに行くように促す。
「じゃ、早く終わらせてくるから。寂しくても泣かないでよ!」
「泣かないよ!もうっ!早く行きな!」
名残惜しそうに教室を出ていく由香を見送り、私はカバンからお弁当を取り出した。
ほんと、由香は心配性だな。
まぁ、そんなとこが由香のいいところなんだけどね。
由香がいないことに少し寂しさを感じながらも、椅子に座り直す。そこでふと窓の外を眺めた。
…………今日、いい天気だな。
せっかくだから中庭でお弁当を食べようかな。
高校に入学してから1ヶ月とちょっと。