先輩と甘い初恋はじめました。
「なるほど…………そんなことがあったんだ」
今の話を聞いたら由香が切れるのはわかる。私、とんでもない先輩に絡まれちゃったのかも。
だけど、私が見た限りそんなんじゃなかったんだけどなぁ。
「そう。だから琥珀、あの先輩には気をつけなよ。人の恋路を邪魔する気はないけど、一応これは忠告だからね」
ジュースを一気に吸い込むと、ごくんっと音を鳴らして飲み込む。
「わかったけど………私、別に律貴先輩のこと、好きじゃないよ?つーか、あんな先輩を好きになるなんて有り得ないよ」
何故か私が先輩に恋をしている前提で話が進められていることに気づいた。
慌てて否定する。
私が、あんな先輩を好きになるはずがないよ。そもそも恋とかよくわかんないし。
「ほんとーに?今はそう言ってるけど、いつの間にか恋、してたりね。恋は気づいたら落ちてるもんなんだよー」