先輩と甘い初恋はじめました。
興味なさそうにしれっと答える先輩。
「それがどうかしたの?」
優しい笑みを浮かべたまま私を見ていた。
「あの………私、由香と友達なんですけど、先輩の話を聞きました。先輩が………冷たい人だってこと。私、人を弄ぶような人とは関わりたくないんです」
言葉を選びながらゆっくりと伝えていく。チクチクと胸が痛むけど、こればっかりはしょうがない。
律貴先輩とは関わらない方がいいって決めたのは私なんだから。
「……………」
「そういうことなので。それでは失礼します」
言い切った後、先輩は何も言わない。ならば、と先に帰ろうと踵を返した。
これ以上、先輩とはいたくない。
お昼ご飯も食べなきゃだし。
「待って」
「えっ」
踵を返して1歩、歩き出した時、律貴先輩に呼び止められた。
「先輩………?」
呼び止められるとは思わなかったのでその場で立ちつくす。