先輩と甘い初恋はじめました。
「あはは!必死じゃん!」
「ちょっと由香、きーてる?」
由香はお弁当をつまみながら私を見る。
「聞いてるよ。大丈夫。柊先輩は根は悪い人ではないと思うから」
「えっ?」
一瞬真顔でなんか言っていたけど声が小さくて聞き取れなかった。
聞き返したけどはぐらかされた。
「ふふっ。これから面白くなりそうね」
「なんで由香の方が楽しそうなのよ」
「別に〜」
私はお弁当の蓋を開けて、ようやくお弁当を食べ始める。由香の言葉に引っ掛かりを覚えながらも、先輩に聞きたいことなどを考えた。
なんでこんなにワクワクするんだろう。
先輩のことを、知りたいと思うんだろう。
***
放課後。
私は由香と別れて、カバンに荷物を詰めていた。由香は今日は部活があるらしく、急いで教室を出ていったのを見送った。
部活があるって言ってたけど………律貴先輩もだよね。