先輩と甘い初恋はじめました。
「うぜー」
「うおっ。今日もどす黒いなー、律貴は。女子にキャーキャー言われても顔色1つ変わんねぇ。羨ましいぜ」
「そんなこと言ったら斗亜だってモテモテじゃねぇか。ほら、そこに横断幕まである」
ちらっとギャラリーの方を見てみると女子が前の席の方で横断幕を垂らしてずっと斗亜を見ている。
ただの練習試合なのにああいうのって迷惑だよな。そういうことする女子は嫌いだ。
ちなみに、女子全般無理。
「おー。でもさぁ、あんなことされても嬉しくねぇんだよな。俺、ちゃんと好きな子いるのに。振り向いてくれるのはその子だけでいいんだよなぁ」
「そういえばお前、恋してたんだっけな」
斗亜は意外と一途で、中学から恋をしている女子がいるらしい。
だからか、高校に入って告られまくってるのに全部断っている。…………それは俺も同じだが。
「そうだよ。俺はこんなにかっこいいってのに、その子だけ振り向いてくれなくて。くぅぅ!」