先輩と甘い初恋はじめました。

歯を食いしばって悔しがっている。


いや、気持ちはわかるが悔しがるところ、おかしくないか。



「はぁ…………」


「まぁ、俺のことはおいといてだな。お前はどーなんだよ。例の琥珀ちゃん!」



ため息をついた俺を見てニヤニヤ笑う。


こいつに俺の恋を話すんじゃなかった。斗亜が話してくれたから俺も話したけど、やっぱ間違いだったな。



「うるせー………あっ」



斗亜の腕をどかして、ギャラリーの方を向いた瞬間、あの子と目が合った。


あの子も俺と目が合うと朗らかに笑って、目を細めている。


ードキッ。


たったそれだけなのに、心臓は跳ね上がる。それと同時に心拍数が爆上がり。



「なんだよー。ちゃんと来てんじゃねぇか。だから今日はやる気満々だったのか」


「黙れ。片付けるぞ」



赤くなった顔を、隠すようにそっぽを向いた。くそっ、なんか腹立つな。
< 49 / 184 >

この作品をシェア

pagetop