先輩と甘い初恋はじめました。
歯を食いしばって悔しがっている。
いや、気持ちはわかるが悔しがるところ、おかしくないか。
「はぁ…………」
「まぁ、俺のことはおいといてだな。お前はどーなんだよ。例の琥珀ちゃん!」
ため息をついた俺を見てニヤニヤ笑う。
こいつに俺の恋を話すんじゃなかった。斗亜が話してくれたから俺も話したけど、やっぱ間違いだったな。
「うるせー………あっ」
斗亜の腕をどかして、ギャラリーの方を向いた瞬間、あの子と目が合った。
あの子も俺と目が合うと朗らかに笑って、目を細めている。
ードキッ。
たったそれだけなのに、心臓は跳ね上がる。それと同時に心拍数が爆上がり。
「なんだよー。ちゃんと来てんじゃねぇか。だから今日はやる気満々だったのか」
「黙れ。片付けるぞ」
赤くなった顔を、隠すようにそっぽを向いた。くそっ、なんか腹立つな。