先輩と甘い初恋はじめました。
「照れてやんの。かわいー!」
こんなやつほっとこ。そんで早く帰りてぇ。
俺は琥珀のことを気にしながらも片付けを始めた。
「ありがとうございましたー」
片付けが終わって、みんなで挨拶をしてから体育館を後にする。
はぁ…………今日はなんだか疲れた。
琥珀にあんなことしちまったし…………。俺と関わらないって言われた時はショックだったしなぁ。勢いで抱きしめちまった。
焦らないようにしてたのに。
だけど、琥珀は離れなかった。それだけが俺の中での救いだ。
「………律貴先輩!」
体育館を出て、スマホを取り出そうとカバンに手を突っ込んだ時、誰かに呼ばれて立ち止まる。
まさかそんなはずはない、と思いながら恐る恐る振り向いてみると…………
「…………っ、なんでここにいんだよ」
琥珀が頬を赤く染めながら俺の方へ駆け寄ってくる。待っててくれているとは思わなくて、この状況についていけない。