先輩と甘い初恋はじめました。

今、ここで名前を聞かないと後悔すると思った。



「星崎琥珀、です」


「えっ」



彼女の口から小さく聞こえた名前。聴き逃しそうになったけど彼女名前を覚えた。


ほしざき、こはく………か。可愛い名前だな。



「よし。覚えた。琥珀ちゃんね」


「あ、あの………失礼しますっ!」



にっこり笑ってそう言ったのに彼女は逃げてしまった。あ、連絡先聞くの忘れた。


まぁ、名前聞けたしいっか。


またいつかキミに会える日が来ると思うから。なぜだか分からないが、そう確信を持つことができた。


それが、キミに出会った日。


一生忘れられない、俺の初恋の相手。優しいキミに、惚れたんだ。まさか、同じ高校に通うことになるとはその時は思わなかった。



それから彼女に会えない日々が続いた。今年の四月までは。


ウチの高校の入学式。


桜の花びらが舞い散る中、入学式が行われた。


そこで、またキミを見つけたんだ。
< 55 / 184 >

この作品をシェア

pagetop