先輩と甘い初恋はじめました。
今、ここで名前を聞かないと後悔すると思った。
「星崎琥珀、です」
「えっ」
彼女の口から小さく聞こえた名前。聴き逃しそうになったけど彼女名前を覚えた。
ほしざき、こはく………か。可愛い名前だな。
「よし。覚えた。琥珀ちゃんね」
「あ、あの………失礼しますっ!」
にっこり笑ってそう言ったのに彼女は逃げてしまった。あ、連絡先聞くの忘れた。
まぁ、名前聞けたしいっか。
またいつかキミに会える日が来ると思うから。なぜだか分からないが、そう確信を持つことができた。
それが、キミに出会った日。
一生忘れられない、俺の初恋の相手。優しいキミに、惚れたんだ。まさか、同じ高校に通うことになるとはその時は思わなかった。
それから彼女に会えない日々が続いた。今年の四月までは。
ウチの高校の入学式。
桜の花びらが舞い散る中、入学式が行われた。
そこで、またキミを見つけたんだ。