先輩と甘い初恋はじめました。
「あっ…………あの子」
桜の木の下で、目を細め微笑んでいる彼女がいた。しかも、同じ学校の制服を着ている。
ードキッ。
「琥珀ー!早く学校に入るわよ!」
「今行く!」
お母さんらしき人がその子の名前を呼ぶ。星崎さんは声が聞こえた方に走り出そうとしていた。
その時、一瞬俺と目が合う。
彼女は、ぺこりとお辞儀をしてから俺の前を通り過ぎて行った。
ートク、トク………。
また、キミを見つけた。
もう無理だと諦めかけていた初恋。
神様がもう一度チャンスをくれた。もう一度、キミに恋をするよ。
この気持ちを伝える、その瞬間まで。
「律貴ー!」
「おわっ!」
初恋のことを噛み締めていると斗亜が後ろからガバッと抱きついてくる。
そういえば、コイツも恋をしているんだったな………。
「あれ、律貴顔赤くねーか?」