先輩と甘い初恋はじめました。
【律貴side】
『私も6月23日生まれなんです!』
まさか、大好きな人と誕生日が同じだとは。
琥珀と昼休みを過ごすようになって数日がたった。最初に質問を聞いて、答えた誕生日が同じという奇跡がおきて、毎日のようにそのことを考えていた。
授業も上の空で、斗亜に突っ込まれるほど俺は浮かれていた………らしい。
「律貴ー。今日の部活なんだけどよー………って、また琥珀ちゃんのこと考えてんのかよ」
ある日の休み時間。
授業が終わると、斗亜が俺の席の前に座る。
斗亜は呆れたように眉根を寄せるとパンっと目の前で手を叩かれた。
「うわっ。何すんだよ」
俺は驚いてギロっと斗亜を睨む。
「お前、最近浮かれすぎな。俺はまだ進展ないってのによ、誕生日にデートの約束までしてきやがって」
「…………俺の勝手だろ。斗亜には関係ない」
「いーや、関係あるね。少しくらい俺を労わってもいーじゃん!コノヤロウ!」