先輩と甘い初恋はじめました。
「いででっ!おま、落ち着けよ!」
グーパンチで横腹を殴ってきやがった。斗亜の恋は知ってるけど、俺じゃあ、どうしようもねーじゃん。
だからあまり関わらないようにしてた。
「もー。誕生日が同じなんて羨ましすぎ!その勢いで告っちゃえよ!」
ードキッ。
告白…………か。
「無理だな。まだ知り合って間もないし、そんな余裕ねーよ」
「でもお前ら一度会ったことあるんだろ?」
「俺は覚えていたけど、琥珀は忘れてんだよな………。最初会った時も初めて会ったような感じだったし」
中庭で琥珀に初めて会った時。運命を感じたのは俺だけだったのだろうか。
入学式で見かけたとはいえ、学校の中ではまだ会ったことがなかった。
あの日、あの時間に中庭に行ってなかったら琥珀に会えてなかったかもしれない。この偶然を、俺は大切にしたいんだ。
「まぁな。一度会っただけだから無理もないだろうな」