先輩と甘い初恋はじめました。
イケメンだし、人気者だし。
そのまま授業のことを忘れて、律貴先輩を見ていた。
すると、その近くに女の子がいることに気づく。
「…………誰?」
遠くからでも美人だってわかる。他の人と違って、オーラがあるというか………。
とにかく、その人が律貴先輩に近づいて仲良さげに話し込んでいた。
嘘。
律貴先輩、女子苦手だって………由香に聞いたはずなのに。私の他にも仲がいい女の子、いたんだ………。
その事実を知ってショックを受ける。
律貴先輩とその女の子はグラウンドの方に歩いていって、グループに別れていた。あの人、誰なんだろう………。
心の中にモヤがかかったように苦しくなる。
私、どうしちゃったんだろう。
「…………崎、星崎!星崎琥珀!」
「は、はいぃぃ!」
ぼーっと窓の外を眺めていたら数学の先生に名前を呼ばれた。
そんなことに全然気づかなくて、気づいた時には立ち上がって裏声で返事をしていた。