先輩と甘い初恋はじめました。
さ、最悪だー!
***
「琥珀ー!先輩のこと、見てたでしょ」
「うぅ。見てないもん」
放課後。
全ての授業が終わり、みんなが帰り支度や、部活の準備をしてる中、私は自分の席から動けずにいた。
そんな私を見かねてか、由香が話しかけてくれた。
由香に図星をつかれ、ドキッとするけど平静を装う。まさか由香にまでバレていたなんて………。
「数学の時間、柊先輩のクラス、体育やってたもんねー。どうだった?」
「どうって…………モヤモヤした」
かっこいいとか思ったけど、女の子が気になりすぎて、ほとんど覚えていなかった。
「モヤモヤしたって………一体何を見てたの」
由香はスポーツバッグを一旦机の上に置くと、私と向き合う。心配そうに私の顔を覗き込んできた。
これは話を聞いてくれる体制だ。
時間があまりないことを知っていたので手短にさっきの出来事を話した。