先輩と甘い初恋はじめました。
「なるほどね。柊先輩に親しい女の子がいた、と」
「うん。なんだかその姿を見て、モヤモヤしちゃった。おかしいよね、私には関係ないのに」
ため息をつきながら窓の外を眺める。
当然だけど、今は放課後なのでどのクラスも体育をやっていない。その変わり、野球部や、陸上部などの運動部がグラウンドを走り回っていた。
このモヤモヤは一体なんなんだろ。
律貴先輩にしか、この気持ちは現れない。先輩にあって初めて知った感情だ。
「琥珀、それは全然おかしなことではないよ」
「えっ?」
考え込んでいると由香が口を開く。いつもより真剣な声色だったので、驚いた。
「それってさ、柊先輩に話しかけていた女の子に嫉妬しているんだよ」
「嫉妬………?」
「まぁ、琥珀はまだ自分の気持ちに気づいてないからピンとこないと思うけどそのうち気づくんじゃないかな」
どういう意味………?