先輩と甘い初恋はじめました。

この光景を見て、私の顔の血の気が引いていくのがわかる。どうしよう。律貴先輩の邪魔をしてしまった。


こんなことになるなんて…………!



「ったく、なんだ?円香のやつ」


「あ、あの…………律貴先輩、ごめんなさい。私が勝手にこんなことしてしまって。彼女も怒らせてしまったみたいで………!すみません!」



ドクドクと心臓が早鐘を打つように、全身を駆け巡る。律貴先輩に嫌われないか不安で不安で。大変な時にこんなことを考えてしまう自分も嫌で。


もう、ぐちゃぐちゃだ。



「いや、俺は全然大丈夫。むしろ助かったっつーか。逆にありがとな」


「え?」


「そんなことより、琥珀はどうしたの。こんな涙目になって」


「あっ、これは…………」



私が迷惑をかけたのに何故かお礼を言われた。


一瞬何を言っているのかわからなくてフリーズしていると、律貴先輩はいつの間にか目に溜まっていた涙を優しく人差し指ですくう。
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