先輩と甘い初恋はじめました。
ードキッ。
「ひゃっ。り、律貴先輩!な、何をするんですか!」
「ん?いやー、涙目の琥珀も可愛いなって思ってつい。嫌だった?」
律貴先輩、この状況、わかってますか!?
「嫌…………じゃないですけど………いいんですか?彼女……」
「彼女じゃないよ。俺には関係ないことだからね」
「きゃっ」
律貴先輩は切なそうに笑ったあと私を抱き寄せた。力強い腕で私を腕の中に閉じ込める。
ードキドキ………。
ここ、学校なんですけど………。緊張よりもそんな心配が出てくる。
多分、今顔真っ赤。
「ねぇ、琥珀。ドキドキした?」
「え?」
誰もいない廊下で。腕の中に閉じ込められて、先輩の温もりを感じている。
さっきまではモヤモヤしていたのに、今ではドキドキが止まらない。
「…………はぁ……我慢してたのになぁ」
「………っ、我慢って……」