先輩と甘い初恋はじめました。

うーむ………。


考え込んでいると、風が強く吹いた。



「わっ………」


「んー…………」



えっ、嘘でしょ。


私が風で乱れた髪を押さえていると、目の前で寝ている男子が唸ってゆっくりとまぶたを開けた。


ひゃああ!


起きちゃったよ。


と、とりあえず逃げて…………


ーパシっ。


頭の中がパニック状態でとりあえずここから逃げようとくるりと振り返ろうとした時、腕を掴まれた。


…………なんで!?



「あ、あの…………」



何が何だかわからないまま、目を見開いているとその人は眠そうにしながらムクリと起き上がる。


ぼーっとした目で私を見つめてきた。


起きた顔は、寝ている顔よりもかっこよくて、見とれてしまった。



「…………お前、誰?」



腕を掴まれたまま、ぼーっとしていると不思議そうに首を傾げた。


うっ、そ、その顔、反則でしょ………。
< 9 / 184 >

この作品をシェア

pagetop