先輩と甘い初恋はじめました。
幼なじみ
【律貴side】
「ただいま」
家につき、ドアを開けると見慣れた女物の靴が目入る。
げっ。
コイツ、またウチに来たのかよ。ついさっき怒りながら帰ったくせに。めんどくせぇ………。
俺はため息をつきながら靴を脱ぐ。
琥珀と一緒に帰ってきたのはいいけどずっと気まずくて、微妙な空気が流れていた。
何度も視線を感じたけど円香のことを言った方がいいのかどうか悩んでいるうちに琥珀の家についていて結局何も解決しないまま別れた。
別に言い訳するわけじゃないけど円香との関係はほんとに何も無くて、それを説明すればいいだけなのに誤解されたくないという思いが邪魔をして言えなかった。
情けないとわかっていても言うことが出来なかった。
「あら、おかえり。円香ちゃん、来てるわよ。あなたの部屋に通しといたから」
靴を脱ぐとパタパタと廊下の奥から母さんが出てくる。