先輩と甘い初恋はじめました。

「はぁー………余計なことをするなよ。なんで勝手に部屋に通すんだよ」


「余計なことって何よ。あんたたち〝幼なじみ〟じゃない。今更でしょ。ほら、これ持って早く部屋に行きなさい」


「ちょ、母さん!?」



母さんは呆れたようにため息をつくと持っていたお盆を俺に押し付けて戻って行った。


お盆の上には円香の好きなオレンジジュースが2人分乗っている。


それを見てさらに部屋に行く足取りが重くなった。



「幼なじみ、か…………琥珀が幼なじみだったら良かったのに」



なんて叶いもしない願いを口にしながら階段を登り自分の部屋に向かった。琥珀にメッセージを送りたかったけど、円香と話をするのが先だ。


めんどくさいけど、きっちりとケリをつけなきゃな。


ーガチャ。


ドアを開けると俺のベッドの上に腰を下ろしている円香がいた。



「律貴!おかえり」


「…………ただいま」
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