先輩と甘い初恋はじめました。
オレンジジュースを飲みながら、学校でのことを思い出しているのか表情からは何を考えているのかわからない目をしていた。
切なそうに揺れる瞳。
そんな円香を見て、俺は情けなくなった。
「うん」
「琥珀ちゃん、可愛かったね」
「………うん」
何を話したらいいか考えながら返事をする。
どうしたら、円香のことを怒らせないでこの関係を終わりにできるのか。
そもそも円香は俺のことを………好きなのか。
「律貴は、あの子のことが好き、なの?」
今までに聞いた事のない震えた声で聞いてくる。そんなに、怯えていたのか。
円香がこんなになるまで知らなかった俺は………バカなのかもしれない。
「好き…………だよ。俺の、片想いなんだ。ずっと隠してて、ごめん」
俺の気持ちを察したのか、円香の目から涙が流れた。今日は………琥珀も泣いていたな。円香の涙を拭いたいとは思わなかった。