先輩と甘い初恋はじめました。

琥珀のは拭いたいと思ったのに。



「ごめん。琥珀に、勘違いされたくないから、これ以上円香とは関わることができない。円香を裏切るような形になるとわかっているけどこれだけは譲れない」



ここではっきりしないと後悔する。


俺のこと、そんなふうに思ってくれているならば。



「そっ、かぁ。私じゃ、あの子には勝てないのかな。ずっと、律貴のこと………好きだったのに」



円香はそこまで言うとカバンを掴んで俺の部屋から出ていった。



「円香!?」



なんだったんだ…………、この時間は。


円香は多分俺の気持ちを知っていた。放課後、琥珀を目の敵みたいにしていたけど、部屋ではそんな素振りは一切なかった。


部屋にいるって言われてドキッとしたけど、円香がわかってくれるって、勝手に思ってた。


幼なじみって、こんなに難しいっけ?


ーコンコン。



「はい」



円香が出ていったドアの方をぼーっと見ていると誰かがノックした。
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