君と恋をするための三か条
「…冗談でしょう?」

冗談って言って。
私は煽ったつもりもその気にさせたつもりもないのよ!
覚えてないだけって可能性は無きにしも非ずだけど……!!

「さ、とりあえずシャワー浴びておいで。朝ごはんはオムレツでいいか?アレルギーとかない?」

「ありません……ああ…父に、連絡しないと…」

「それね。いい所のお嬢さんって言うから、心配させちゃまずいかなと思って電話入れといたよ」

「えっ…七瀬さんが!?」

「〝一緒に食事した友達の〟兄ってことにしといた。家に遊びに来てそのまま寝てしまったので今夜は泊めますって」

「すみません、ありがとうございます。口裏まで合わせていただいて…」

「一緒に食事した友達…ねえ。俺の目には君は一人に見えたんだけど……疲れてんのかなあ」

小首を傾げてそんなことを言う。

「あなたって、良い人だけどイジワルね!」

じとっとした視線を向けると、彼は無邪気に笑った。
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