君と恋をするための三か条
二、君の初めては俺のもの
「な、な、なんで!?」
絶叫にも似たその声に目を覚ます。
ああ、眠ってしまっていたのか。
お嬢様は……
「起きてたのか。おはよう」
東雲麗花は反射的に挨拶を返すが、突然頭を振ってこの状況の説明を求めてくる。
説明も何も、昨晩うちの店のスタッフが薦めてしまった酒に酔い、倒れるように眠ってしまった彼女を介抱しただけなのだが…。
面白い。こいつはからかうと楽しい。
いちいち反応が初心で、それは大事に大事に育てられてきたのだろうと勝手に思う。
しかし、彼女の『結婚阻止大作戦』なんて大それたことを考えるにはそれなりの理由があった。
東雲麗花は冷えきったような家庭環境の中、強くたくましく育ったらしい。