君と恋をするための三か条
俺の周りにはどうも、中身の見えない女ばかり寄ってくるから、彼女のようなのは珍しく興味が湧く。

逆ナンにも似たそれを避けるためというのは嘘でこそないが、口実に過ぎないことは内緒だ。

酔っ払っていた時とは打って変わって、凛とした表情をする麗花に一目惚れしたかもしれないなんて、今はまだ言うべきではない。

「新でいい。俺も麗花って呼ぶ」

「ええ、新。よろしくお願いします」

あと、結構素直で、礼儀も正しい。

手厳しく品の良いお嬢様に育て上げられたみたいだ。

しかし残念だが俺は、彼女の望み通り最終的に離婚して終わらせるつもりはない。

始まりはほんの出来心だった。
意思が強そうで頑なな彼女の心を奪えたら、その時はどんな顔を見せるだろう。

俺はこの愛を嫌うお嬢様を、どう懐柔し自分のものにするかと思案する日々が始まるのだった。

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