君と恋をするための三か条


部屋に着くと、まず麗花を風呂場に促してキッチンに立つ。
別に、あの夜、酔った麗花を連れてきているからここに来るのは初めてでもないのに、たどたどしく口数も少ない彼女の掴みどころがイマイチだ。

夕食前なので軽めに和風スープの調理をしていると、ガチャりとドアが開いて、俺のスウェットとカットソーをみにつけた麗花が入ってきた。

「お、偉い。言う通りにちゃんと髪まで乾かしたな」

「ええ、ありがとう…」

「はい、これ飲んで温まってな。俺風呂入ってくる」

何故か緊張気味の麗花に、カップに注いだトマトと卵のスープを差し出し、ダイニングに座らせて早々に風呂場に引っ込んだ。

俺がいるから緊張しているのか?
今日は普通に素面だし、暖を取るためとはいえ部屋に連れてきたのは駄目だったか…。

今まで付き合ってきた女は喜んで…というか積極的に向こうからこういう展開を望んできた。
麗花はその誰ともつかない初めてのタイプなので、いまいち距離感が分からない。
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