君と恋をするための三か条
いつも座っている席なのかな?その隣にたまたま私がいただけとか……まあ、なんでもいいか。
気を取り直して食事を再開しようとフォークを手に持つ。

「それ、美味しいですよね。でも僕、トマトが苦手なんだ」

私が食べようとするカプレーゼを指さしてそんなことを言ってくる。
食事の邪魔をしないでほしい。
あなたの好き嫌いとか、毛頭興味無いんですけど。

「…トマトを使っていないお料理もたくさんあると思いますよ」

迷惑していても、話しかけられるとなんとなく無視しづらい。
それでも最大限声を冷たくしたけれど……

「ああ、そうだね。お姉さんは何が好きなの?」

「なんでも好きです」

「へえ。お姉さん、今何歳? すごい美人だね」

なに、この人!
うるさいわ。私の年齢聞いて何になるって言うのよ!
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