君と恋をするための三か条
「ご、ごめんなさい。私、料理がダメで…」

麗花がしんなりとして言った。

「だろうな」

「昔、母や家政婦さんに教えて貰ってやったことはあるんだけど、余計な仕事を増やすばっかりで、キッチン出入り禁止になっちゃって…」

「キッチン出禁って、すごいなそりゃあ」

いったい何をしたらそんなことになるんだろう。

「結婚するつもりもなかったし、自分一人で生きて行く分には必要ないと思っていたけれど…。ダメね…私。料理を勉強しなきゃ。新にばかり甘えてられないもの。料理教室にでも行こうかしら」

麗花にとっては一時関わっているだけの相手の負担を考えて行動しようとするなんて。
けれど俺は首を横に振った。

「ダメだ。料理教室なんて」

「え? どうして…」

麗花がぽかんとする。
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