君と恋をするための三か条
「初めてにしては上出来じゃないか? キッチン出禁になるほど悲惨なことにはならなかったし、やれば出来るんだよ、麗花」

新が満足気に頷いてみせる。

「すごく疲れたわ。新、スパルタなんだもの。ヘマなんかやらかしてられないっていうプレッシャーがすごかった」

「良い結果に作用して良かった。俺たち、気が合うのかもなあ」

新が呑気なことを言いながら食卓に着く。

このままこうして新の料理教室を続けていれば、克服出来るかもしれない。
決めた。新との契約満了までに料理を身につけよう。自分の健康のためにも、めげずにやってやろうじゃない。

私はひとり笑み、新と温かな食事を囲んだ。

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