君と恋をするための三か条
その時、新から返信のメッセージが来た。

『どうした?体調悪い?』

心配が文いっぱいから伝わってきて、胸がきゅっと苦しくなる。
なんなんだろう。最近感じるこの違和感。

『大丈夫。心配しないで』

改めてそう返すと、急に画面が切り替わり、振動する。
驚いてばくばくする心臓を抑えつつ新からの電話に出ると、私の体調を再確認してから真面目な声色で言う。

『ちょっと相談があるんだ。麗花の意見が聞きたい』

もともとは直接する予定だったのだろう。
電話してまでの内容ってなんだろう。

「なあに?」

正直嫌だと言って切りたかった。
けれど、もっと面倒なことになりそうで、私はつかの間の我慢を選んだ。

『麗花はさ、プレゼントされるなら何なら嬉しい?』

「はっ…?」

素でそんな声が出た。
そして気づく。
新は女性目線の意見を欲しがっているのだ。
プレゼントの相手は、三日前一緒にいたあの女性に違いない。

『あ、いや、今度母親の誕生日でさ。 女性の意見が聞きたくて。良かったら聞かせてくれないか』

何故か電話の向こうで焦りの色を示す新。
私は見えないのをいいことに俯き、小さく息を吐き出した。
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