君と恋をするための三か条
それももう一年前のこと。ひとつの懐かしい思い出だ。

それから挙式、披露宴は恙無く終えられた。

指輪の交換の時、それを運んできてくれたのは新のご実家で飼っている愛犬のここちゃんだ。

立派にリングドックを務めあげたその姿に瞳をうるうるさせながらここちゃんを抱き上げる新の親バカっぷりは見ものだった。

基本人好きな子らしく、私の方にもしっぽを振って来てくれた時は、新しい家族に迎えてもらえたみたいで嬉しかった。

披露宴でのお料理は、式場の厨房を使ってCocoの料理人たちが腕を降るってくれた。

溢れんばかりのいちごがたっぷりの豪華なウェディングケーキは、なんと新が作ったという。
司会の説明を聞いた時、驚いて新を仰ぎみると、ふふんと言わんばかりの満足気な顔をしていた。
思わず涙ぐむと、すごく慌てだしたけれど。
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