君と恋をするための三か条
んん…眩しい…。朝…?
目を開けると、見知らぬ天井。
首をめぐらせると、床に座り込み、ベットに顔だけ寝かせている……人!?
私は飛び起きた。
正座して、おそるおそる眠る人の顔を覗き込む。
「…七瀬新っ!?」
思わず大きな声を出してしまった。
なんで…シェフが…?
というか、ここはどこなのだろうか。
こうして間近で見ると、七瀬新は綺麗な顔立ちをしているのが分かる。
薄い唇に高い鼻筋、二重で切れ長の瞳は閉ざされ、規則正しい寝息を立てて寝ている。
なんで座ったまま寝ているんだろう?
ふと、彼が投げ出すようにしていた手に視線がいく。
「な、な、なんで!?」
彼の無骨な料理人の手は私の手を握っていた。
…いや、位置的に、これは私が握った…?
二度目の大声に今度は彼も身動ぎ、カーテンの隙間から差し込む光に眩しそうに顔を顰めた。