アルコール
アルコール
先輩だけが私を見てくれているような気がする。彼は高身長イケメンで頭も良く友達も多くて、絵に描いたような人だった。
サークルの新歓で初めて先輩を見た。自分よりもずっと可愛い女の子と話している先輩を見たのが最初だった。こんなハイスペックな先輩が私と話してくれるわけないと思っていた。飲み会も終盤になってきた時、いきなり先輩から声を掛けられた。動揺していると「君お酒苦手でしょ 」「お水持って来てあげるから」と言われた。こんなカッコイイ先輩が私に優しくしてくれてるなんてと思い、凄いドキドキしたのを覚えている。皆でお店を出る時に先輩が「俺この子送ってから帰るわ」と言いその場を後にした。そのまま先輩の家に上がった。綺麗してある部屋は清潔感があって良い匂いがした。先輩と2人で映画を観ていると、先輩が「今日の事は皆には内緒にしててね」と言われお姫様抱っこをされベッドに連れていかれた。まだした事が無かった私はされるがままに先輩とセックスをした。痛みはあったけど、先輩と繋がれてるみたいで、嬉しくなりそんな事はどうでも良くなっていた。事が終わると先輩は煙草を吸った。先輩って煙草吸う人だったんだと思ったけど、吸っている姿が先輩を更にカッコよくして見惚れていた。まだお酒の美味しさも分からないような私は、すぐ簡単に先輩の事を好きになった。先輩も私の事が好きだと思っていた。だって好きじゃないとこんな事はしないから。先輩と2人で会うことが増えて、家にもよく出入りするようになった。2人でお酒を飲んだ時の先輩は、普段クールなのにアルコールが入ると呂律が回らなくなり可愛くなる。それが可愛くて大好きだった。私は先輩の全てを心から愛していた。それから数ヶ月が過ぎ、思い切って先輩に告白した。先輩からは付き合うことは出来ないと言われ、思っていた答えと違って驚きを隠せなかった。「ごめんね。俺君以外の女の子とも遊んでるし、なんなら家にも入れたことある」「だからごめん。君の気持ちには応える事が出来ない」なんで、こうなるんだよ。そしたら最初からそんな態度取るなよ。いつもクールな先輩がアルコールに酔って可愛くなってるのがたまらなく好きだったのに。でも、やっぱりそれでも先輩の事を嫌いにはなれない。先輩に縋り付くように言っていた「2番目でも3番目でもいいから先輩の横に居させて下さい」「私先輩の事が好きなんです」自分でも何でこんな事を言っているのか分からない。先輩は「ほんとにいいの?」「俺、他の女の子とも遊ぶんだよ」と先輩は何も動じず普通に言った。「はい」私は泣きながら返事をした。そしたら先輩が「よしよし、おいで」といい私の事を抱きしめてくれた。私はこれからも先輩の事を好きでいれそうだ。あんだけ暑かった外が今は涼しく感じる。また今日もホラー映画を観よう。

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