S級な先輩の溺愛。
 車で来ていたらしく、駐車場に着いた。
 黒のステーションワゴン。
 私の好きな車だった。

「久保さんのですか?」
「そう。」
「めちゃくちゃ、いいですね。
 私もいつかはこれに乗りたかったんですよ。」
「そうなんだ。車好きなの?」
「はい。運転も好きですよ。」
「そうなんだ。乗って。」
「はい。」
 座り心地も抜群。すごく嬉しかった。

「何食べたい?」
「じゃあ、高級フレンチ。」
「了解。」
「ウソです。」
焦った。冗談が通じなかった。

「なんでもいいです。牛丼でもラーメンでも。」
「いや、ちゃんとお礼したいんで、洋食屋でどう?」
「お任せします。」
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