ショップラブ☆(短編)
「そうだったんですか!すいません、なんか。」
松田さんはまた手を動かし始めた。
すいません、なんか。
って、
覚えてなくてすいませんってことだよね。
ガーン。
まあ、当たり前かあ。
私だってお客さん全員の顔を覚えているわけじゃないし、
よく行くお店の店員さんの顔も全員をいちいち見たりしない。
私が松田さんを知ってるのは、
私が松田さんを覚えようってしてるからだ。
「また本屋にも行くんで、またこっちにも来てくださいよ。」
松田さんは優しい笑顔でそう言うと、
私にストラップを包んだ小さな袋を手渡した。
『はい。』
なんか……嬉しいな。
次会うのが楽しみ。
次は、覚えててくれるよね?