ショップラブ☆(短編)
「体調が良い日は読むのが早いんだよ〜。」
そう言って笑った松田さん。
松田さん自身も
彼女さんの為に買った本を持って、毎日お見舞いに行くのを
楽しみにしているようだった。
「今ってどんなのが売れてるの?オススメの小説とかある?」
棚の1番上の
今売れている小説ランキングを見ながら
松田さんは尋ねた。
『これは、もう彼女さんは読まれたんですよね。』
私は、この前松田さんが買っていった携帯小説を手にした。
この小説の中に
“I can't loving you”
という、あの言葉がある。
「ああ、この前買ったやつだ。それ良い話だよね。僕はあんまり本は読まないんだけど、それは珍しくハマって読んだ小説なんだ。」
ストラップにあった文字は…
松田さんが
愛する彼女さんに向けたものだったんだろう。