ショップラブ☆(短編)
ただ会いたい
「明希〜、元気出しなよぉ!」
大学の広い中庭で沙織とランチ。
いつもポジティブな沙織は私の肩をポンっと叩いて、元気づけようとしてくれる。
あれから私は元気がなかった。
バイト先の本屋でずっと気になっていたお客さんは
買い物に出かけた時、たまたま入ったオシャレなお店の店員さんだった。
初めて名前を知り、
その人が作ったストラップを購入し
ウキウキ
ドキドキ
これから頑張っていけば、何か進展があるんじゃないかって浮かれてた私。
やっと本屋に来てくれたと思ったら、松田さんに彼女がいることを知らされて
その日以来、
会うことすらなくなった。
もう来てくれないの?
なら、私が会いに行ってはいけませんか?
会えたとしても
まだ松田さんのことを少ししか知らない私には
彼女さんとの間に入り込む権利なんかなかった。