ショップラブ☆(短編)
私はドキドキを抑えながら、少しずつ松田さんに近寄った。
心の中は
やっと会えた
会いたかった
ただそれだけだった。
近づいた私の存在に気付いた松田さんはにっこり笑ってくれた。
「また来てくれたんだ。嬉しいです。」
その笑顔を見ると私も顔がニヤけてしまった。
『最近…本屋に来ないから……どうしたのかな?って思って。』
「ああ……。もう行く必要がなくなったので。」
行く必要がなくなった…?
『彼女さん、退院されたんですか!良かったですね。』
松田さんは照れるように微笑んだだけだった。
じゃあもう、本屋に用はないんだね。
病院が近いから来てただけだし…
それにしても
初めて本屋に来たのは、たぶん結構前のことだから
彼女さんの入院生活も長かったんだろう。
松田さんの大事な人が元気になってよかった。