ショップラブ☆(短編)
会いに行く
それから私は
頻繁に松田さんの店へ通うようになった。
ただ会いたくて
松田さんに会いたいって理由だけで。
行くたびに松田さんと色んな話をした。
接客してくれている少しの時間だけだけど…
松田さんは私の顔も名前も覚えてくれた。
初めて名前を呼んでくれた時は嬉しくて泣きそうになった。
「また来てくださいね、高崎さん」
って。
松田さん
私はあなたに名前を呼んでもらえただけでこんなにも幸せになれる。
松田さんには彼女がいる。
だから私は客として
松田さんに会いに行くことを決めたんだ。
それなのに
行けば行くほど
会えば会うほど
どんどん欲張りになる。
分かっているのに
彼女がいるのに
私は
松田さんに恋をせずにはいられない。