ショップラブ☆(短編)
支えたい
松田さんが本屋に来る理由がなくなったのは
彼女さんが元気になって退院したからじゃない。
亡くなってしまったからなんだ。
本が大好きだった彼女さん。
私は会ったことがない。
松田さんの愛する人を想像した。
きっと優しくて、可愛くて、松田さんのことが大好きな
良い彼女さんだったんだろうな。
『ごめんなさい…私、何も知らないくせに…』
謝る私に松田さんは笑って言った。
「いいんですよ。彼女のことは…本当に辛かったけど、もう大丈夫だから。」
松田さん、
私に何かできませんか?
松田さんの辛さや悲しさを私は何も知らなかった。
ただの客だけど
私じゃ松田さんを支えることはできませんか?
支えたい…
少しでも松田さんの力になりたい。
私じゃダメかな?