ショップラブ☆(短編)
呆然とする私をよそに
目の前のその人は私を接客する。
「実はコレ僕が作ったんですよ。」
『え?本当にっ??』
その人が首からさげている名札を見ると“松田 優”と書かれてあった。
まつだゆう
初めて名前を知った。
こんな形で名前を知れるなんて
こんなところで会えるなんて
松田さんは自分のポケットから垂れるストラップを指差した。
「僕も色違い持ってるんですよ。」
私が持っている赤いストラップの
青いバージョンが松田さんのポケットから覗いていた。
『これ、可愛いです!自分で作るなんてすごいです!』
やっぱり私が本屋の店員なんて覚えてないみたい…
言ったら思い出してくれたりするかな?
「最初は勝手に自分だけで作ったんですけどね、店長が売り物にしようって言ってくれて。」
松田さんは嬉しそうにストラップについて話していた。