そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
さらりと告げられた言葉にソフィアは「実話なのね」と苦笑いする。
ルイスは扉をじろりと見つめ、戻ってくる様子のない二人にため息をついてから、ソフィアへ視線を戻す。
「私はアルヴィン様の教育係としてついて行く予定になっています。なにか困りごとがありましたら、相談下さい」
「ありがとう。頼りにしてるわ」
ソフィアはにっこりと笑いかけたのち、ハンナと共に執務室を出た。
ゼノンとソフィアが血の繋がった親子でないことは、今も公にはしていない。
それを知っているのも、ゼノンとソフィア、そしてマシューの三人だけ。
ゼノンとマシュー、そしてソフィアの父親、エドマンドが子供の頃から良くつるんでいて、仲が良かったらしい。
エドマンドが武族の女性と恋仲なことも知っていたため、エドマンドが亡くなり、突然ゼノンが連れてきた赤ん坊を見て、マシューだけはすぐにエドマンドの子供だと見抜いたのだ。
半魔族などは関係なく、自分の親友のひとりであったエドマンドの娘だから、マシューはソフィアを気に掛け、優しく面倒をみていたのだ。