そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
楽しみと不安が入り混じった状態で何も言わずにただじっと校舎を見つめていると、前方から「ソフィア!」と呼びかけられた。
「久しぶり。元気にしていたか? 俺は今日の日をずっと心待ちにしていたよ。図書館も充実させといたから、落ち着いたら一緒に見に……ゼノン国王、ですか?」
「そうか。図書館の充実度は学生にとっては大切なことだな。参考にさせてもらおう」
クラウドが、話の途中でソフィアとの間に割り込んできた人物を怪訝そうに見た後、それがゼノンだと気付き、目を大きく見開いた。
しかし、ゼノンは質問には答えず、なるほどと言った様に腕を組む。
「あぁ、そうか。今日の入学パーティーにゼノン国王も参加されるのですね……でも、何だかとても若返ったような」
「格好のことは気にするな」
「気にするなと言われましても」と苦笑いで発せられたクラウドの言葉に、「お父様、最強だからなんでも出来ちゃうみたい」とソフィアが補足する。
「入学パーティーにはもちろん参加する。そして明日から始まる授業も度々出席させてもらおうと思っている」
「最強だと名高い国王様に授業は不必要では」
「基礎を学び直す訳じゃないない。今後、ロッシュドギアにもこれと同じような学び舎を作る予定があり、その参考にさせてもらうつもりだ」