そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「本当に? ……やだ、聞き間違えちゃったみたい」

「おかしいな、案内の生徒が何人もいたはずだけど。見かけなかった?」


怪訝そうな表情を浮かべていたクラウドだったが、不安そうにこくりと頷いた女性へ安心させるように笑いかけた。


「それなら受付まで案内しよう」

「本当に!? ありがとう! 私、メレディス・バンフィールド。とっても親切なあなたのお名前も教えて」

「俺は、クラウド・マクマス」


にやけそうになるのを必死に堪えながらソフィアは「これよ!」と心の中で雄叫びをあげる。

クラウドとメレディスの出会いを実際に目にして感激で震えるソフィアと、それを引き気味に見つめているゼノンを紹介するように、クラウドは手を差し向けた。


「どうせこれから俺たちもそこに向かおうとしていたところだ。みんなで一緒に行こう」


傍観者の気分だったけれど、急に場に引っ張り出されてしまい、ソフィアは戸惑いながら、私はどうしていたっけとゲーム内での行動を必死に思い出す。

確か、ここでクラウドとメレディスの間に割って入って、「場所はクラウド様に教えてもらったのだから、ひとりで行けるのでは?」と陰気臭い顔で非難するのだ。

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