そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
メレディスの問いかけに、ゼノンは答える気がまったくないらしく口を開かない。
クラウドやソフィアも、先ほど「俺だということを公にしたくない」と言われているため黙り込む。
ゼノンは目を大きくして自分を見つめてくるメレディスから興味がなさそうに顔をそらし、「ソフィア、行くぞ」と声をかけ身を翻し歩き出した。
「ごめんなさい。彼、普段からあんな感じなの。決して悪気があってのことじゃないのよ」
ソフィアはゼノンの後ろ姿と呆然としているメレディスを交互に見て、メレディスに深く頭を下げる。
ゲームでここは、クラウドに叱られたソフィアが不満げにぶつぶつ言いながら、ふたりのそばを立ち去る流れだった。
そしてもちろん、ソフィアもふたりの時間を邪魔したくはない。
「……えっと、それじゃあ私、先に行くわね」
後退りしながらそう告げると、クラウドは「あ、うん。わかった」とソフィアに頷きかける。
「ソフィアが言うように、気にしなくていい。ゼノン様は誰にでもああいう感じだから」
そのまま踵を返して歩き出そうとしたソフィアだったが、クラウドの言葉が耳に入り、思わず振り返る。