そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
学長の話に耳を傾けながら、ソフィアはちらちらと室内を見回す。
すると、出入り口の近くに、クラウドとメレディスの姿を見つける。
隣にいるクラウドと時折言葉を交わしながらも、メレディスはゼノンを気にしているように見えて、ソフィアは不思議になる。
お父様のことをどうして知っているのだろう。
艶のある薄茶色の髪を見ているうちに、ソフィアは何かが引っかかった気がしてわずかに首を傾げる。
メレディスをどこかで見かけたような気がする。
もちろんゲームをプレイしているため、その容姿は目にしているのだが、そういうことでなはく、どこか別の場所で彼女に会ったような気がするのだ。
「どうかしたか?」
「……い、いえ。なんでもないわ」
ゼノンに問われ、ソフィアはゆるりと首を振る。
きっと気のせいねと心の中で答えを出して、ソフィアはいつの間にか演台へと移動していたイルバクトへと視線を戻した。
「ミルドフキローアカデミーでの学びが、君たち若者たちの将来の輝きへつながっていくように、我々は決して惜しむことなく、自らの持てる全ての知識を差し出そう。生徒諸君、ミルドフキローアカデミーにようこそ。心より歓迎する」