そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「わ、私もお話に混ぜてもらっても良いですか? お父様が学生の頃の話が聞きたいです!」

「お、おい。やめろソフィア」

「おおっ、ゼノンの話なら一晩じゃ語りきれないほどたくさんあるぞ」

「それじゃあ、明日も来てください!」


目を輝かせるソフィアと同じくらい、イルバクトも嬉しそうに表情を輝かせ、ゼノンは低く舌打ちする。

ミルドフキローアカデミーでの最初の夜は、ソフィアとイルバクトが意気投合しとっても賑やかに、それにゼノンの鋭いツッコミと、冷たいため息が響き渡りながら過ぎていった。



その翌日から、ソフィアの一年生としての日々がスタートする。

寮の部屋を出て、ソフィアとゼノンが校舎入り口までやってきた所で、「おはようございます」とルイスが声をかけてきた。

これからゼノンとルイスは学長室で学校運営に関しての真面目な話をする予定らしい。

一階で彼らと別れると、ソフィアはひとりで四階へ。

緊張しながら一号室へと入り、空いている席に腰掛けた。

まだ生徒は半分しか来ていなく、それぞれが教科書を眺めていたり、本を読んでいたり、物思いに耽っていたりしている。

< 173 / 276 >

この作品をシェア

pagetop